研修会2022)鏡山(2022/06/16)
- 2022/08/03
- 22:06
鏡山は竜王町と野洲市の境界にある標高 385mの花崗岩から成る山です。
周辺には古琵琶湖層(粘土)による不透水層の上に花崗岩の風化による砂礫層が重なり、湧水湿地が形成されているものと思われ、湧水湿地特有の自然の観察が期待されます。
①9:45
まずは石部神社南側の湿地から観察を開始しました。
小さな池が多くありましたが、例年に比べて、水の量がかなり少ないとのことで長靴も必要ありませんでした。
アイエナ(花なし)、イソノキ、コケオトギリ、トウカイコモウセンゴケ、モウセンゴケ、サクラバハンノキ、トキソウ、イシモチソウ、ノハナショウブ、ミヤマウメモドキなど湿地の植物や、カスミザクラ、ミヤマガマズミ、ガンピ、ワレモコウ、サルマメ、ネズ、ナツハゼなどの植物が見られました。
トキソウ
ノハナショウブ
②10:40
希望ヶ丘リッチランドの公園へ車で移動し、鏡山に登り始めました。
中腹に当たる鳴谷池で湿地の植物を中心に観察をしました。
ツルヨシ、トウカイコモウセンゴケ、モウセンゴケ、イシモチソウ、カキラン、ヘビノボラズ、ホナガタツナミソウ、コケオトギリ、ハルリンドウ(咲き終わり)などの湿地の植物や、サンカクヅル、ニガイチゴ、エゴノキ、ムラサキシノブ、ツクバネウツギ、ナツハゼ、マルバアオダモ、シャシャンボ、ショウジョウバカマ、ツルアリドウシ、ウメモドキ、ワレモコウ、コナラ、コツクバネウツギ、ウメウツギ、フイリシハイスミレ、ヒモヅルなど植物の他、ハッチョウトンボが見られました。
登山口付近では、植林として植えられたコマツナギ、イタチハギ、ヒメヤシャブシ、オオバヤシャブシが多く見られました。
トウカイコモウセンゴケ
モウセンゴケ
イシモチソウ
ヘビノボラズ
ホナガタツナミソウ
ヒモヅル
ハッチョウトンボ
③12:10
鳴谷池で昼食をとりました。
やはり池の水量は少なく、ほとんど干上がっている状態でした。
鳴谷池の満水時には登山道が水没してしまう為に迂回路が整備されていることを考えると今年の降水量は例年に比べて特に少ないのでしょう。
鳴谷池
④13:00
下山を始めましたが、下山は登りと違う南側のアウトレットパークに抜ける鳴滝ルートを採りました。登山道の横には渓流が流れ、せせらぎの音を聞きながらの気持ちの良いコースです。
テリハノイバラ、ササユリの果実、キンラン(花なし)、ソクシンラン、サワヒヨドリ(花なし)、キキョウ(※花なし)、ヒヨドリバナ(花なし)、イソノキ等の他、北アメリカ原産の外来種キバナノマツバニンジンが黄色い花を沢山咲かせていました。
(※野生のキキョウは非常に珍しいそうで、花が咲いているところを見てみたいものです。)
一時間弱で鳴滝ルートの登山口に到着し、下山完了です。
鏡山は花崗岩でできており、麓近くは風化し砂地となっていて、二輪のライダーがオフロードを楽しんでいました。
⑤14:35
登山口からアウトレットパークを経由して希望ヶ丘リッチランド戻り、本日の研修会の行程は終了となりました。
鏡山は、湿地の植物が豊富で、ヒモヅルなどの絶滅危惧種も多く見られます。イシモチソウなど食虫植物も種類・量ともに多く、カキランやトキソウも大型で美しく感動的でした。鏡山と同じように古琵琶湖層があり湿地の植物の見られる瀬田公園よりも植物相がさらに多様で豊富だと思いました。
8月下旬にはサギソウも咲くそうです。是非、この時期にも訪れてみたいと思います。