観察会2022レポート)水鳥観察会(in 膳所公園)
- 2022/12/24
- 17:39
12月18日、膳所公園で水鳥観察会を行いました。
(双眼鏡の使い方を説明)
毎年恒例の観察会ですが、見られる水鳥の数も種類も同じ様子はなく、特に昨年まであったエリ(琵琶湖独特の漁法)が無くなっていて随分様子が変わっているように感じました。
(コガモ)
市街地でありながら、こんなに身近なところで冬の水鳥が観察できる場所はあまりないのではないでしょうか。
秋になり風が冷たく感じる頃、琵琶湖の湖面には早々に到着した水鳥たちの群れが見られるようになります。冬の水鳥たちはシベリアなど北の地域から海を渡って日本で冬を過ごし、春になるとまた北へ帰ってゆきます。
(見られた水鳥の特徴をみんなで確認しています)
シベリアの冬の平均最高気温はマイナス40℃、とても彼らが生きてゆける環境ではないのです。
じゃあ、そのまま温暖な日本に棲み続ければ良いのに!
仰る通り、そうすれば長く過酷な旅をする必要がありませんよね。
実際、北へ帰らずにそのまま日本に残ってしまう個体(留鳥)もいます。
でも彼らは春になるとシベリアへ帰ってゆく、それは子育ての為なのです。
(オスとメスのペアリングゲーム、結構難しいぞ)
日本で越冬している間に彼らはペアになり、交尾をして、シベリアに帰ってから卵を産み、子育てをします。春になり氷の解けたシベリアでは待ちかねたように沢山の植物が芽を出し、これに合わせて虫たちも大量に発生します。
これが食欲旺盛なヒナたちのエサとなるのです。
(クイズ形式で、今日の観察会でわかったことをみんなで共有)
このシベリアの爆発的な春を待つため、水鳥たちは日本で冬を過ごすのです。
渡りについてはあまりよくわかっていないそうです。
一説にはかつて地球が氷に覆われた氷河期に端を発するとも云われています。
(餌付けの過ちについて皆さんに知ってもらいました)
いずれにせよ、水鳥たちは太古の時代から何世代にも渡ってシベリアから日本へやってくるのです。
そんな彼らのことをもっと知って欲しいと思います。
そしてこの琵琶湖で穏やかな冬を安心して過ごせる環境を維持してゆくこと、それが私たちに出来ることではないでしょうか。
ご参加の皆様、ありがとうございました。
次回は2月23日、瀬田公園でお会いしましょう。