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観察会2023レポート)早春の瀬田公園観察会「セリバオウレンを見よう」

2月26日、本年度最後の自然観察会は瀬田公園(瀬田公園体育館)で開催しました。
昨年はコロナ禍の為に中止していましたが、一昨年の参加者を上回る24名の方にお集まり頂きました。当会の観察会はリピーターと大津市の「広報おおつ」をご覧になった方が多いのですが、今回は大津市在住の方以外に県内の他の市町村や京都市からもご参加頂き、WEBから当会を観察会を知った方が増えてきていることは大変嬉しいです。

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この日は前夜から雪が降り気温も低く、足元が心配な方もおられた為、安全に配慮して池の木道での観察を止めたり、特に注意が必要と思われる方にはスタッフが付き添うなどの配慮を行いました。

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今回の観察会の主役はセリバオウレン、決して珍しい種ではありませんが、この時期に見られる花としてとても愛らしく魅力的な春を告げる植物です。

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ここに咲いているセリバオウレンはオウレンよりも小葉がセリの葉のように切れ込でいることから、このような和名が付いています。花の可憐さもさることながら、雄花、雌花、両性花の3種類の花があるという点を観察して頂きました。

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このシーズンはこの花を見ようと訪れる方が多く、この日に公園に来られていた観察会の参加者でない方からも「このような観察会があるなら次回は参加したい」とのお声を頂きました。

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さて、観察の中心はこのシーズンに咲くセリバオウレンですが、室内で公園内の他の植物、上長尾池の水質検査、野生動物の生態解説、アカガエルの卵塊観察も行いました。

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この公園にある池は江戸時代に造られた農業用のため池ですが、不思議なことに弱酸性の水になっていて、これが市街地なのに珍しい植物が残る貴重な環境のベースになっているようです。

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一昨年もやりましたが、当会の会長が紹介するアカガエルの話はセリバオウレンと双璧をなす盛り上がり!

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アカガエル(ニホンアカガエル)はまだ寒いこの時期に卵を産み、また土の中へと戻るという習性があります。他の種のカエルよりもオタマジャクシが早く成長することになる為、生息域や捕食する餌の確保が優位になるからです。 
ひと通りの解説を終え、さあ、皆さんにもアカガエルの卵塊を触ってもらいましょうと言うとエエ~ッ!と声が上ります(笑)
各テーブルに採取しておいた卵塊を配ると、気持ちわるぅ!とか言いながらも皆さん楽しそうに卵塊を手に載せていらっしゃいました。知るだけじゃない、見るだけじゃない、触れることが出来るものなら実際に触ってもらう、観察会ではこの体験がとても大事だと当会は考えています。

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参加者の皆様からは「屋外だけでなく室内での話が良かった」「メインのセリバオウレンだけでなく、アカガエルやキツネの話など幅広い内容で良かった」「体育館にはよく来るがこんな素晴らしい森があることを知らなかった」「また参加したいのでこのような観察会の情報をもっと知りたい」といった嬉しい声を多数頂きました。
その反面、「人数が多いので後ろのほうでは解説されている方の声が聞こえない」という参加者もいらっしゃいました。複数のトランシーバーでカバーしたり、森の中を案内する際には2班に分けたりと工夫はしていましたが、”野生動物に悪い影響を与えないように拡声器等で大きな声を出すことはなるべく避けたい”という意図もあり、難しいところです。

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また、冒頭に書いたように当会のWEBの記事からこの観察会を知ったという方も多くいらっしゃいましたので、今後はもっとWEB媒体を活用して様々な方法で情報発信をしていくことも検討していく必要があるかもしれません。
最後に今回の観察会に協賛頂いた瀬田公園体育館様(西武造園株式会社様)には配布テキストの準備や会議室の利用などのご協力頂きました、ありがとうございました。

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おおつ自然観察の会

Author:おおつ自然観察の会
当会は身近な自然を皆さんと一緒に楽しんでいる市民グループです。
長年に渡り、大津市内で観察会を続けております。

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