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観察会2020レポート)水鳥観察会(in 膳所公園)

秋の観察会が終わり、湖のあちこちに水鳥を見掛けるようになると、水鳥の観察会シーズンの到来です。

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曇り空だった前日の下見でしたが、この日は晴れて空の青さが琵琶湖の水面に映えます。

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コロナ禍で今年は参加者もスタッフも少人数で実施しましたが、こういうコンパクトな時だからこそ、みんなでアレコレ話をしながら、一緒になって楽しめる観察会になりました。

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その年によって観察できる水鳥は違っているのですが、例年一組のペアぐらいしか見られないハシビロガモが今年は沢山いたのが印象に残りました。

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ところで琵琶湖はラムサール条約湿地に指定されている我が国最大の湖ですが、そもそもラムサール条約って何なのかご存知でしょうか?

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ラムサール条約は1971年2月2日にイランのラムサールという都市で開催された国際会議で採択された、湿地に関する条約です。正式名称は、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいますが、採択の地にちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。(環境省・ラムサール条約と条約湿地より)

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1993年に日本で9番目のラムサール条約湿地になった琵琶湖には毎年6万羽以上の渡り鳥が越冬にやってくるわけですが、この条約の序文にはこのように書かれています。
湿地の進行性の侵食及び湿地の喪失を現在及び将来とも阻止することを希望し、水鳥が、季節的移動に当たって国境を越えることがあることから、国際的な資源として考慮されるべきものであることを認識し、湿地及びその動植物の保全が将来に対する見通しを有する国内政策と、調整の図られた国際的行動とを結び付けることにより確保されるものであることを確信して、次のとおり協定した。(環境省・同)

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つまり湿地の生物の象徴種である水鳥を”国際的な資源”のひとつであると考え、条約加盟国は国際的行動規範に基づいて、湿地及びその動植物の保全をしなければならないということを定めた条約なのです。(もちろん湿地で保全すべき生物は水鳥だけではありません)
条約だからと云ってもそれは国や地方自治体だけでなく、市民である私たちも水鳥たちを大切なお客様として出迎える必要があるわけです。

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その為に必要なのはもちろん”湖岸でパンくずを撒いたり、船上からかっぱえびせんを差し出す”ことではありません(笑)
先の条文にあるように”湿地の進行性の侵食及び湿地の喪失を現在及び将来とも阻止すること”、彼らが安心して琵琶湖で冬を過ごせる環境を残すことです。
難しいことではありません、湖岸のゴミを集める、そういう些細なことが重要なのではないでしょうか。

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当会も微力ながら大津市の観察会グループとして、ささやかながらラムサール条約がめざす琵琶湖と水鳥の保全の助力になればと毎年、水鳥の観察会をやっています。

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2020年の観察会はこれで終了、今年は当会の最大のイベント(!)である忘年会は見送りになりました(笑)
次回は3月に初春の瀬田公園での観察会からスタート、皆様のご参加をお待ちしています。
2021年もおおつ自然観察の会をどうぞよろしくお願い致します。

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おおつ自然観察の会

Author:おおつ自然観察の会
当会は身近な自然を皆さんと一緒に楽しんでいる市民グループです。
長年に渡り、大津市内で観察会を続けております。

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