観察会2021レポート)早春の瀬田公園観察会「セリバオウレンを見よう」
- 2021/03/14
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3月6日、今年度最後を締めくくる瀬田公園での観察会、予想を超える人数の方々にご参加頂き大盛況、感謝、感謝です。
メインはもちろんセリバオウレンなんですが、今回は特にこの公園の不思議をサブテーマにおいてご案内しました。
100年以上変わっていない瀬田公園には他の市内の都市公園には見られない特異な自然が残されています。
簡単に地理的、歴史的な説明をした後、公園の中心にあるため池の水の水質(pH)を計ります。
このため池の水質は弱酸性、街の中にありながら高層湿原の様相をした池なのです。
この後、この水質を好む植物、モウセンゴケがどんなところに生えているかを実際に見ていただきました。(この辺りが古琵琶湖層であることがどう関係しているのかが興味深いところです)
次はこの池にいるちょっとせっかちなニホンアカガエルの話。
冬の最中に起きだして卵を産むこのカエル、なんでわざわざこんな時期に?、え、産卵した後、また冬眠するの?、当会会長がこのカエルの戦略を説明した後、卵塊に直接触れてもらいます。
(もちろん、このあと卵塊は採取した元の場所へ丁寧に戻しています)
皆さん、触ってみよっと、キャー!とおおはしゃぎ(笑)
そう、観察会はこうでなくてはいけません。
この後、卵塊のある池へ移動、オタマジャクシになってメダカと一緒に元気良く泳ぐ姿を覗き込んでいただきました。
どんなところに卵を産んでいるのかな?
ここからは森に入り、野生動物の話も、、、前日の雨で動物の匂いも足跡も消えてしまい、見てもらえなかったのが残念。
そしてたどり着いたセリバオウレン、この公園の森の早春を飾る花です。
雄花、雌花、そして両性花、じっくり観察してみましょう。
先に紹介したモウセンゴケと共に決して珍しい植物ではありませんが、都市公園の森に自生していることに意味があります。
街を離れた遠くの山野へ行けばもっと珍しい植物は沢山あります。
自然観察会というと、とかく珍しいものばかり求めてしまうのですが、我々が気軽に訪れることのできる身近な公園の”当たり前の自然”を知って頂きたいと思います。
そしてそれはみんなの大切な財産であり、いったん失われてしまうと簡単には取り戻せない、それが自然というものではないでしょうか。
足元の、普段暮らしの身近な自然を知り、みんなで大切に守っていきましょう。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました。