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観察会2021レポート)ギンリョウソウ観察会

新緑の美しい5月はすべてのイキモノ(人間も含めて)がイキイキと美しく見えるシーズンです。
ところがこの5月、周辺の都道府県では緊急事態宣言、滋賀県でも公共施設を閉鎖し、じっと我慢の体制に入ってしまいました。当会ではこのタイミングで観察会をやっても良いものか、やるとしたらどういう対策が必要なのかをこれまで以上に検討した上で実施に踏み切りました。

さて、スタートは大津市の消防本部の前でツバメの観察!
ギンリョウソウ観察会と広報しながら、ぜんぜん違ったものも観察してもらう、当会の観察会の常套手段。

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いつも事前準備に余念のない当会の会長の解説、自然観察指導員はほんの数分話すことであっても時間を掛けて下調べし準備をしています。

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この消防本部と隣の大津市役所には最近市内の民家では見られなくなったツバメの巣があり、こうして話している間にも目まぐるしくツバメが飛び交っています。
※消防本部の許可を得て観察会をやっております、出動があれば即撤収です(笑)

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当初、大津市役所の裏山を歩き、長等公園へ至るコースを予定していましたが、この日は気温も高く、マスク着用で山道を歩くことを避けてコースを変更、道すがら見つけたものを取り上げながら三井寺へ向かいます。

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歩道に植えられているツツジ、植栽されたものですが花にある虫を誘導する模様(蜜漂)を観察します。参加者の方は次から花を見る視点が変わることでしょう。

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アカメガシワの葉が赤いのはなぜ?
ウンチクで終わることなく、参加者自身に観察してもらうようにしています。

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さて、ギンリョウソウです。
今年は例年案内している群落まで行かず(斜面が危険な状態な為)、とっておきの場所にご案内!

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えっ、なんでこんなところにギンリョウソウが!、数年前に当会が某お食事処で発見しました。
もちろん栽培することは不可能ですし、このお店の方ですらご存じなかったそうです。
※お店の了解を得て観察会をやっております。

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よくある植物とは異なり、葉緑素を持たないので自ら光合成を行うことができず、菌類と共生し周囲の樹木の栄養を間接的に取り込んで生きています。
以前は周囲の腐葉土から栄養を得ていると思われていたことから腐生植物と呼ばれていました。
未だにそう解説しているのをWEBで見掛けますがこれは間違いです。

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でも大事なのはそういうことではなく、植物はみんな光合成をしているわけではないということ、そして共生ということが決して珍しいことではないということです。
自然界に常識はないのです、同じように見えるものでも何処か異なる部分があります、それが生物多様性というもののひとつの見識です。
この後、三井寺周辺でオドリコソウを見たり、大切な文化財に爪痕を残すアライグマのお話もさせていただきました。

関西で神社仏閣というとどうしても京都・奈良のイメージが強いのですが、滋賀県は古来より交通の要所であり、大津市にも由緒ある神社仏閣がたくさんあります。
こうした場所は聖地であり、貴重な自然が保護されてきました。
これを大切に保全し、次の世代に残してゆくことがどんなに大切なことかはいうまでもありません。
当会は今後も市内の自然観察を通じてそれを皆さんに”楽しく”伝えてゆくことができればと思っています。

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ご参加の皆様、ありがとうございました。
次回は8月9日(月・振休)水の中の生物の観察会でお会いしましょう!

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プロフィール

おおつ自然観察の会

Author:おおつ自然観察の会
当会は身近な自然を皆さんと一緒に楽しんでいる市民グループです。
長年に渡り、大津市内で観察会を続けております。

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